最新情報

2021-08-01
昆曲に見える蘇州夢

はじめに:

蘇州と言えば、どうしても避けては通れない話題は二つある。それが園林と昆曲。この二つは蘇州文化の宝物と言え、互いに影響しあって成長してきた。

本文:

昆曲は、中国最古の伝統的な戯曲の一つとして人気を集めている。2001年、昆曲は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第1回「人類の口承および無形遺産に関する傑作」に選ばれた。この時から、この中国伝統戯曲の発展をリードする芸術的珍品は更に多くの保護と伝承を得て、次々とその傑作劇が蘇州古城で上演されている。

園林

昆曲は約600年前の蘇州昆山に源を発し、かつては民間の俗謡だったが、明代に改革されて現在の昆曲となった。説回しの繊細な昆曲は各地の劇種の発展に影響を与え続けたため「百戯之祖」(あらゆる芝居の祖)の称号を得た。昆曲の蘇州における発展は、実は地の利と人の努力がその大きな要因である。繊細で纏綿した昆曲と蘇州の奥深く趣のある古典園林は生まれながら相性抜群である。


現在、昆曲は園林に回帰し、滄浪亭の『浮生六記』、網師園の『遊園驚夢』などの古典演目が園林に響いている。没入的な演出方法で、往来する観光客に最も真実な昆曲の美を体験させる。

千灯古鎮

昆曲に関し、もしその発祥について思い当たる節があるなら、昆曲の発祥地昆山の千灯古鎮に行って見るのが良いだろう。今まで二千五百年以上の歴史を持つ江南の古鎮は、今でも「水陸と並行して、河と街とつながっている」という水郷の姿をしているが、普段も味わい深い雰囲気が漂っている。

中国昆曲博物館

蘇州の平江路張家巷に中国昆曲博物館が位置し、江南の建築の特色があるこの博物館には昆曲の最も貴重な服飾、曲譜、道具などが収蔵され、昆曲の源から始まり、見る人に昆曲の発展プロセスを伝えている。

博物館内には昆曲の特色ある公演舞台も収蔵されていて、作り方によって残響が自然に形成され、余韻を残す効果を作り出すことができる屋外の古舞台もある。さらには、担いで移動することができる最小の舞台、「堂名担」もあり、これは昆曲博物館の宝である。これを分解すると、8人で囲むことのできる小型の昆曲舞台となる。

昆曲は、蘇州の気質を最も代表する芸術であり、それ同様に繊細で柔軟である。乾いた暑さの夏に、蘇州に行って昆曲を聞いてみると、清水が心に染み渡る素晴らしい体験をすることができるだろう。