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2022-04-15
<世界文化遺産特集>蘇州古典園林(一)

東洋人の理想的な住処といえば、まず浮かぶのは蘇州古典園林だろう。蘇州古典園林の造景の巧妙さは、中国人の美意識の表現であり、海外の園林芸術にも深い影響を与えた。メトロポリタン美術館の「明軒」がまさに網師園にある「殿春簃」を模倣して設計・建造されたものである。現在、蘇州では完全に保存されている古典園林が108か所にも達し、そのうち80か所以上が観光客に開放されている。

1997年12月、拙政園、留園、網師園、環秀山荘が蘇州古典園林の代表作として、ユネスコ世界遺産に登録された。2000年11月には滄浪亭、獅子林、芸圃、耦園、退思園がユネスコ世界遺産に追加された。

  • 拙政園

拙政園は中国四大庭園の中で最も歴史の長い古典園林であり、中国古典園林の見本でもある。明の時代の園林スタイルと独特な山水レイアウトは、飾り気の無い自然な芸術的な風格を形成し、「中国古典園林の母」と位置付けられている。園内には蘇州園林博物館があり、「咫尺の内に乾坤を作る」という芸術的な美しさを伝えている。

  • 留園

留園は中国四大庭園の一つとして、「呉下名園の冠」という美名がある。庭園と住宅が一体となり、建物で空間を仕切り、幾重にもあるレイアウトで「園に園があり、景色の外はまた景色がある」という芸術空間を作り出し、ユニークな景色が「城郭を出ずに、山林の趣を楽しむ」ことができる。

  • 網師園

蘇州古典園林では、最も体裁がよく、最も整えているのは、網師園である。網師園はまた園林の専門家に推奨されている「小園の極則」であり、蘇州で唯一夜間観光できる古典園林でもある。夜の帳が下りると、園内に江南絲竹の音色が流れ始め、昆曲や評弾のパフォーマンスが上演し、観光客は婉曲で抑揚のある調子で「園を遊覧し、今夜の夢を見て(遊園今夢)」古人の心境と高雅な趣を振り返り、江南の悠々とした心持ちを楽しむ。

  • 環秀山荘

環秀山荘の築山は蘇州古典園林でも有数のもので、最大の見どころでもある。築山の敷地は広くないが、参差錯落の手法で千差万別の築山を構築し、本物の山よりもっと趣がある。角度を変えると形も姿も違い、高さや距離によって景色も変化していくのである。その中を散策すると、限りなくバリエーションに富んでいる風景が見られる。

写真提供:https://www.sohu.com/a/113701911_103422