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2021-11-18
蘇州現地冬の食の哲学

「旬の食材にこだわる」。即ち、季節に合わせて食材を選ぶのは蘇州人の食の哲学であるから、季節が移り変わり、蘇州人の食卓上の料理も常に変化していくのである。 冬が近づくと、温まるスープ鍋や羊肉、旬の野菜、とっくに用意しておいた冬の食材が各家庭の食卓に登場する。そして、あなたもやがて蘇州とその美味に引き付けられる。

羊肉

秋冬季節は、蘇州の羊肉料理店が最も賑やかな時期である。400年以上の歴史を持つ蔵書羊肉は多くの古い蘇州人にとってこの寒い時期に身体を温める、健康によい「秘伝の処方」である。「蔵書羊肉」には様々な食べ方があり、白焼羊肉(羊肉の煮込み)、紅焼羊肉(羊肉の醬油煮)、春雨と白菜を使った羊肉の鍋など、栄養もたっぷりである。また、蘇州各地にはそれぞれ特色のある羊肉の食べ方がある。東山鎮の白切羊肉(蒸し羊肉の切り身)、桃源鎮の紅焼羊肉、太倉市の双鳳羊肉(羊肉をスープにくぐらせたもの)、常熟市の徐市羊湯など、いずれも長年にわたって伝わってきた定番の味である。

醬方(豚三枚肉の醬油煮)

冬になると、蘇州人は風味豊かで濃厚な味わいの醬方を食べたくなる。良い醬方は、新鮮で赤身と脂身がバランスよく混ざっている豚のばら肉を使い、焼いたり、煮込んだりして複雑な工程を経て作られる。肉は柔らかく、歯ごたえがあり、塩味と甘味があり、脂身があるわりには油っこい感じはしない 。「魂のこもった香り高い」一品である。

咸肉菜飯(塩漬け肉と青菜の炊き込みご飯)

蘇州の冬は、咸肉菜飯が一番のご当地の味。赤身と脂身が混ざっている豚肉の塩漬け、霜降りの野菜、もちもちで甘い新米をレンガ造りのかまどの上で炒めて混ぜ、ラードを溶かしてお茶碗に盛ってしょっぱくて香ばしい風味が、寒い時節に心もお腹も温めてくれる。